krmbonnnの日記

読書記録や感想などを気ままにあげていく予定です。文を書くのがあまり上手ではなく、見苦しいところもあるかもしれませんが、学生の戯言だと思い暖かく見守ってもらえると嬉しいです。

小説「自由研究には向かない殺人」を読んでの感想。

今回、「自由研究には向かない殺人」を読んだ。

あらすじとしては、主人公ピップが、EPQ(自由研究)として、過去の殺人事件を取り上げたところから始まる。題材は、「五年前に起きた少女失踪事件」。この事件は、少女の交際者によって少女は殺害され、交際者は自殺することで事件は収束し、交際者である彼が彼女を殺したのが真実だとされていた。この事件の犯人とされた少年と仲が良かったピップは、彼が罪を犯したと信じられず、自由研究という名目を利用し関係者にインタビューしていく。

というお話である。

正義感が強くまっすぐな性格のピップは、とても明るい性格でもある。そのおかげか、ミステリー小説のドロドロした暗い部分があまりなく、また情景も想像しやすいものが多かったため、全体的に読みやすいようになっているよう感じた。イメージは明るいミステリーといった感じだろう。読み終わったときの爽快感もまたいい。

 

この本の特徴として、録音データや作業記録が、小説の合間に入ってきていることがあげられる。これがあることにより、自分も推理に参加することができる気がした。作業記録の最後にある容疑者リストが、毎回変わっていくところが個人的にはとても面白い。

 

この本は571ページとボリューミーで、読み始めるときには少し抵抗があったが、始めてしまうと進むスピードは遅いが意外と気にならない。それに、どんどん移り変わっていく事件の景色を追うためにはこれくらい必要だとも感じた。

とても読み応えのある作品で、値段も少し張るがそれほどの価値がある本だと思う。

 

この本で、誰しもが少しの理由で犯罪を成しえるということを改めて知った。ほんの些細なきっかけでもそれが絡まりあえば一つの大きな事件となる。殺人事件ともなりえる。人間の弱く、もろい部分をも上手に表現できていた。

 

ピップは学生のため、捜査をするにあたって情報がたくさんあるところにアクセスすることができない。できないながらに学生のSNS力を使い、Facebookやメッセージを多用し進めるところに現代味を感じ、ミステリー小説=古いという考えが覆された一冊でもあった。

 

この本には続編があるそうだ。とても面白く、続きが気になるのでまた探してみようと思う。